第4回
臨床検査科
  生化学的検査 その1

はじめに

 身体の中の血液には赤血球、白血球などはもちろんのことですが、その他に身体を動かすエネルギー源、細胞から出された老廃物、細胞から生み出された成分などいろいろなものが溶けこんでいます。

 生化学的検査では主に赤血球や白血球などを取り除いた血液の上澄みを用いて、その中に含まれている様々な成分を測定いたしております。

 測定されたデータは患者様の身体の状態を反映しているため、医師の診断に役立てられています。

酵素項目について

 酵素とは化学反応を進める蛋白質のことです。血液中の酵素は主に心臓、肝臓、腎臓などの細胞の中にあり、普通の状態でも細胞の新陳代謝の働きにより血液中に存在しますが、ひとたび細胞が壊れると壊れた細胞の中に含まれていた多くの酵素が血液中にあらわれてきます。レントゲンなどの画像では知ることのできない臓器の状態を酵素項目により知ることができます。

☆乳酸脱水素酵素(LDH、LDなど)

 この酵素は細胞の中でエネルギーを作り出すときに必要で、身体のどの細胞にも存在しています。血液の中に正常以上の増加がみられた場合身体のどこかで細胞が壊れていることを示しています。

☆アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST、GOTなど)

 この酵素も乳酸脱水素酵素と同様に身体のほとんどの細胞に含まれています。特に筋肉や肝臓などエネルギーを必要としている臓器に多く含まれています。

☆アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT、GPTなど)

この酵素は主に肝臓に多く含まれ、肝臓の細胞が壊れた場合血液の中にあらわれてきます。

 他にも血液の中には数多くの酵素が溶けこんでいます。これらの酵素項目をいくつか組み合わせることにより、身体の状態を知ることができます。

腎臓の働きを検査する項目について

☆血液中の尿素成分

 身体の中で利用された蛋白質は分解されアンモニアになります。このアンモニアは肝臓で処理され尿素に合成されます。そして腎臓で尿を作る際に捨てられます。腎臓の働きが悪くなった時や身体の中で蛋白質が多く分解された場合増加してきます。

☆クレアチニン

 筋肉から出る老廃物です。常に一定量が腎臓で尿を作る際に捨てられることから、腎臓の働きをみる検査として用いられています。

 以上今回ご紹介した生化学項目は一般的に用いられている検査項目の中のほんの一部分です。他の項目については次回、ご説明させていただきます。