骨粗鬆症

 本年3月号の「骨の話」にも掲載いたしましたが、骨は木の年輪と違い中心が古い骨で、周りが新しい骨というわけではありません。カルシウムの血液中の濃さを調節するために、絶え間なく破骨細胞による骨吸収と造骨細胞による骨形成を繰り返しています。

 血液中のカルシウムが少なくなると不足分を骨の組織から補おうとします。その結果、骨の量が減ってしまう。これが「骨粗鬆症」です。

 骨粗鬆症になると、骨はスカスカになり、骨折を起こしやすくなります。転倒が骨折の原因にもなりますし、体重のかかる大腿骨や脊椎の圧迫骨折もおこすことがあります。

 絵本に出てくるおばあちゃんの背中が曲がっているのはこの脊椎の圧迫骨折をおこしているからです。

 一般に成人の骨量は20歳前後で最大値となり、その後徐々に減少するのですが、特に女性は閉経以降急速に低下します。

 骨粗鬆症のタイプには、閉経後骨粗鬆症、老年性骨粗鬆症、そして何らかの病気などが原因で起こるものとがあります。

 骨粗鬆症の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法があり、年齢や症状に合わせて行なわれます。
主な治療薬に以下の薬があります。

カルシウム製剤

 食事で不足しがちなカルシウムを補給する薬です。妊娠、授乳期や成長期などにはカルシウムが不足しやすくなるために、服用することがあります。

ビタミンD製剤

 カルシウムの体内への取り込みを助け、骨がもろくなるのを防ぎます。

エストロゲン製剤

 女性ホルモンの分泌低下による急激な骨量の減少を防ぎます。主に閉経後の女性が対象となります。

カルシトニン製剤・ビスホスフォネート製剤

 共に骨吸収を抑制します。またカルシトニン製剤には腰痛などを緩和する効果もあります。

ビタミンK2

 骨へのカルシウムの結合性を高めます。

 

 先に述べたように、20歳前後で最大骨量となるわけですから、若いうちにたくさんのカルシウムを食事によって摂取することが大切です。その後も骨量の減少を防ぐためにカルシウムの摂取を心がけましょう。

 また、運動不足や過剰なダイエット、喫煙を避けることが望ましいです。

今回のくすりの話は
当院整形外科 河善三郎医師
に協力いただきました。