生体リズムと時間治療
皆様は、病気ごとに発症しやすい時間があり、それに沿って薬を服用する治療が注目されていることをご存知でしょうか。
生体は、目の中に入ってくる光刺激や、親からもらった時計遺伝子などが作用し合って、ほぼ24時間を1周期とするリズムを作り出しています。それを『生体リズム』と呼んでいます。
生体の機能は一日中同じではなく、病気ごとに発症しやすい時間が異なります。その時間に沿って治療をするという考え方が、『時間治療』です。生体リズムにあわせて作られた薬では、効果を最大限に発揮させながら、副作用を最小限に抑えることができると言われています。
・気管支喘息・・・夜間から明け方
明け方に気管支の太さは最も細くなり、肺の機能が低下するからです。
喘息の薬を用いた時間治療には、夕方1回の服用により明け方4時から早朝にかけて薬の効果がでるものや、皮膚に貼ってから約8〜12時間後に効果が最も高くなるテープ剤も開発されています。
・狭心症・・・朝方
朝方に、心臓の筋肉に栄養を供給している冠動脈がけいれんを起こしやすいからです。
・慢性関節リウマチ・・・朝方
関節周囲の炎症性のむくみが朝方強くなることによって、「朝のこわばり」がおこります。
・消化性潰瘍・・・夜間
夜間に胃酸の分泌が増加するので、起こりやすいといわれています。胃酸の分泌を阻害する薬の服用時刻が夕食後や、寝る前に多いのはこのためです。
・アトピー性皮膚炎・・・夜間
かゆみの原因物質であるヒスタミンに対する皮膚の反応が昼間と夜間で違い、夜間にかゆみが増すことが知られています。
・高脂血症・・・夜間
コレステロールは、夜間に多く合成されます。よって、コレステロールの合成を抑える治療薬は、夕方に服用することにより、強い効果を得ることができます。
これまでは、薬の投与量と投与間隔の調節が中心となっていました。しかし、服用する時刻によって薬の効果や副作用の出方が異なることがあります。効果のある時刻に服用する方が、効果的であることはいうまでもありません。
時間治療は、前述のように投薬効果の向上等を目的にしていますが、現在の治療法をただちに変更するものではありません。従って、処方されている薬の服用時間や用量などを、医師や薬剤師に相談することなく変更しないようにご注意ください。
何かご質問がございましたら、院内薬剤科までお越しください。(2階外来ゾーンと産婦人科ゾーンの間の左側−「ギャラリー」の先)