急性アルコール中毒
百薬の長といわれている通り、お酒は薬の一種です。薬も決められた量より多く飲めば副作用が出るように、お酒も体にとって毒となることもあるのです。
急性アルコール中毒は、短時間に大量のアルコールを摂取することで、肝臓での処理が追いつかず、アルコールが脳全体を麻痺させることにより、意識不明の昏睡状態になることをいいます。
摂取したアルコールは、胃や小腸で吸収され、肝臓で分解します。そして血液を介して全身に運ばれ、最終的には体に無害な水と二酸化炭素になり、尿と呼気から排泄されます。しかし、肝臓で分解しきれないアルコールはそのまま血液を介して脳へ運ばれ、脳を外側から内側にかけてジワジワと麻痺させて行きます。血液中のアルコール濃度が高くなるにつれて、脳への移行量も多くなり、酩酊、泥酔、昏睡状態へと陥ります。昏睡状態が続くと呼吸困難に陥ったり、急性循環不全で命を落とすことも考えられるので十分な注意が必要です。
それでは、実際の現場に居合わせた時、皆様にも出来る対処法をご紹介しましょう。
昏睡状態に陥った人は、大量のアルコールを摂取したため血管が拡張して、体温が奪われやすくなっているので、体を温め、衣服を緩めてあげます。そして体を横向きにし、吐いたものが詰まらないように頭を少し低く横に向けてあげましょう。後は救急車を待ちます。
<治療法>
薬による根本的な治療法はありません。アルコールを分解するために必要な水分を補給させるため、点滴を受けることになります。一方、意識のある方には糖分、アミノ酸(タウリン、システインなど)、ビタミンCやビタミンB1入りのスポーツドリンクを飲ませ、安静にさせます。また、アルコールを分解するサポニンが入っている緑茶、紅茶を飲ませるのも良いでしょう。
<酔い過ぎないためには>
空腹時で胃に何もないと、アルコールは血液中に速やかに移行し、酔いが早くまわります。一方、脂肪分の多い物(チーズ、から揚げ、牛乳など)を食べると、胃壁に脂肪の膜をつくり、アルコールの吸収を遅くすることができます。肝臓は十分に処理できるようになるので、脳に移行するアルコール量が減り、酔いを抑えることができます。とはいえ、アルコールを分解する酵素が先天的に欠損している人もいるので無理に飲むことは控えましょう。
若い世代の一気飲みによる急性アルコール中毒を減らすためにも、お酒は各人のペースに合わせて楽しく飲むことが大切です。