第23回 薬 剤 科

高脂血症について

 血液中に含まれる脂質のうち、コレステロールと中性脂肪の一方、あるいは両者が異常に多い状態を「高脂血症」といいます。高脂血症には自覚症状がありませんが、長期間この状態が続くと、血管を硬くし、その中を狭くしてしまう動脈硬化を引き起こしやすくなり、狭心症、心筋梗塞や脳梗塞などの原因となります。

 コレステロールや中性脂肪は体にとって必要不可欠なもので、食事から摂取されたり、肝臓を中心に体内で合成されています。これらは蛋白質と結びついて(これをリポ蛋白といいます)血液の流れにのって全身に運ばれます。コレステロールを運ぶリポ蛋白には、体内の各細胞にコレステロールを運ぶLDL(悪玉)と、余分なコレステロールを回収し、肝臓に運び戻すHDL(善玉)があります。

 高脂血症の治療では、血中のコレステロールや中性脂肪の量を、各個人の体質や生活状況で設定される目標値に近づけ、LDLとHDLのバランスをとることが重要になります。 多くの場合、まずは食事療法や運動療法などの生活療法を行い、様子を見ます。生活療法だけでは十分改善されなかった場合に薬物療法も併せて行うことになります。

  高脂血症を改善する薬には主に次のような種類があります。

* HMG−CoA還元酵素阻害薬

肝臓でコレステロールが合成されるのを抑制します。コレステロールは夜間に多くつくられることから、夕食後に服用することが多い薬剤です。

* フィブラート系薬剤

中性脂肪の合成を抑制し、血中の中性脂肪を低下させます。また、コレステロールの低下作用やHDLの増加作用があります。

* ニコチン酸誘導体

コレステロール、中性脂肪の消化管からの吸収を抑制します。

* イオン交換薬

コレステロールの排泄を促進すると共に、食事由来のコレステロールの吸収を抑制します。

 その他、植物ステロールやプロブコールなどが治療薬として使われます。

 どの種類の薬剤も生活療法を継続する上での服用となりますので、医師の指導のもと、正しく服用するようにしましょう。

 なお、「くすりの話」のバックナンバーは一号館2階の階段脇もしくは薬剤科にございます。