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第31回 薬剤科
貧 血
貧血とは、体内の各臓器や組織に酸素を供給する赤血球中のヘモグロビンが減少して、体内が酸欠状態になっている状態です。その原因として以下のようなものあります。1.鉄欠乏性貧血
鉄(体内に酸素を運ぶ働きをしているヘモグロビンの生成に不可欠なミネラル)の不足が原因で起こる貧血。女性では、月経過多、妊娠、出産、授乳など、男性では、胃腸潰瘍、痔などの慢性出血などで見られる。症状として顔の蒼白、頭痛、めまい、神経痛などがある。2.巨赤芽球貧血
ビタミンB12や葉酸(正常な赤血球の生成に不可欠なビタミン)の不足により、赤芽球という赤血球のもとになる細胞が骨髄で十分につくられないために起こる貧血。症状として手足のしびれ、舌の発赤や痛みを伴う萎縮、軽度の黄疸などがある。3.溶血性貧血
何らかの原因で赤血球の寿命(普通は約120日)が短くなってしまい、骨髄での造血が追いつかないために起こる貧血。症状として疲労感、鼻血、歯肉出血などがあり、しばしば黄疸を伴う。4.再生不良性貧血
赤血球を作る骨髄そのものが障害を受け、赤血球が十分に作られなくなったために起こる貧血。症状として顔の蒼白、息切れ、めまい、皮膚や粘膜の点状出血、発熱などがある。白血球や血小板の数も著しく減少する。5. 続発性貧血
リウマチやがん、寄生虫、そのほか心臓、肺、腎臓、肝臓などに病気があり、それに伴って二次的に起こる貧血。大量出血したときに一時的に赤血球を失う場合などで見られる。<治療>
貧血が進んでいる場合、食事面の改善だけでは症状の軽減に結びつかないことが多いため、鉄剤を投与して体内の鉄量を増やす治療を行います。鉄剤の服用に際しては、ビタミンCと一緒にとることで鉄は吸収されやすくなります。また、鉄剤の服用は、体内に貯蔵される鉄の量が十分になるまで続けないと意味がないので、貧血の自覚症状がなくなっても、勝手に飲むのを止めないようにしましょう。
<一般的に貧血を予防するには>
鉄の1日の所要量は、成人男性10mg、成人女性10〜12mgといわれています。鉄不足を解消するには、やはり鉄の補給が大切です。食品では牛肉・レバー・ひじき・小魚・貝、緑黄色野菜・海藻・豆腐などに多く含まれます。もちろん造血に必要な葉酸(貝類、海草類、レバーなど)やビタミンB12(レバー、カキなどの貝類、チーズ、卵黄など)も取り、バランスの取れた食事を心がけましょう。特に女性は、生理中は鉄が不足しがちなので注意が必要です。
<診断>
- 赤血球の数 正常値は、1mm3中、男性で450万〜530万個、女性400万〜480万個。検査値が男性450万以下、 女性400万以下で貧血と診断される。
- ヘモグロビン 正常値は、1dl中、男性14〜18g、女性12〜16g。男性12g以下、女性10g以下で貧血。s
- ヘマトクリット(一定量の血液中に存在する赤血球の容積の割合を示した数字) 正常値は、男性で40〜50%、女性で35〜45%。男性35%以下、女性30%以下で貧血。
健康な成人の身体の中には総量5000mg程度の鉄があり、その半分が赤血球に含まれ、残りは主に肝臓や脾臓や骨髄に貯えられている。これらの鉄は、下の図のように、常に回転して再利用されている。
鉄は1日に約10mg摂取され、約1mg排泄される。しかし、月経期の女性の場合、1回の月経期間に約30mgも失ってしまう。したがって、女性は1日に男性の約2倍の鉄(約20mg)をとらないといけないのだ。
赤血球を作るための鉄が足りなくなると、まず、肝臓や脾臓に貯えられた予備の貯蔵鉄が骨髄に運ばれるようになる。このように、肝臓や脾臓の貯蔵鉄が減っている状態を、潜在性鉄欠乏症といい、予備の貯蔵鉄がなくなった状態を鉄欠乏症という。
貯蔵鉄がなくなると、徐々に血液中の鉄も減少し、こうなって初めて赤血球のヘモグロビンに影響が出る。だるい、疲れるなどの自覚症状はこのころから出始める。だいたい、1mlの出血により0.5mgの鉄を喪失すると言われている。
ビタミンB12(食品では、レバー・牛肉・豚肉・鶏肉・牛乳・チーズ・魚介類などに多く含まれます。)
鉄の中でも、肉・魚などの動物性食品に含まれるのは「ヘム鉄」、野菜・海藻など植物性食品に含まれるのは「非ヘム鉄」と呼ばれる。ヘム鉄のほうが非ヘム鉄より腸での吸収率が数倍高い。食事から摂取した鉄の吸収率は約8%ととても低くビタミンC(いも類、緑黄色野菜、果物、緑茶など)