| (財) 日本医療機能評価機構認定 |
| ささだより |
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2005年11月 第65号 |
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診察室 腎・尿管結石
今回の担当医泌尿器科医長 加P 浩史
診療日: 火・金曜日の午前中尿路とは腎臓、尿管、膀胱、尿道と尿を作り排泄するまでの経路をさします。尿路結石は大部分が腎臓および尿管の、上部尿路に発生します。患者の男女比は5対2で、30歳代以降の男性に多く認められます。結石はさまざまな成分からできてきますがシュウ酸カルシウムが最も多く、次いでリン酸カルシウム、尿酸などがあげられます。どうして結石ができるのか原因不明の場合が大部分ですが、尿路の形態異常に伴うものや、一部はカルシウムの代謝異常(ステロイド剤の内服、上皮小体機能亢進症などによる)や尿酸代謝異常に起因しています。
症 状
結石が存在する側のわき腹から腰背部にかけて痛みが起こります。痛みは激痛であったり、鈍痛であったりさまざまです。結石が尿の流れとともに下降すると痛みも放散します。痛みは何の前触れもなく突然起こることもしばしばあります。吐気・嘔吐、血尿が認められることもあります。結石が尿管の下方に移行し、膀胱の近くまでくると頻尿、残尿感など膀胱炎に似た刺激症状を起こすこともしばしばです。また尿路感染の原因となり、腎盂腎炎を併発すると発熱します。
診 断
X線検査(腹部単純撮影や排泄性腎盂尿管撮影)、超音波検査、CTスキャンなどを行い、結石の位置や大きさ、尿路の閉塞状況を評価します。また尿検査での赤血球数、白血球数の測定は突然の腹痛・腰背部痛が出現した場合の結石の可能性を示唆する重要な所見となるとともに、尿路感染合併の評価に重要な検査となります。
治 療
水腎症、尿路感染症の有無、腎機能の程度に応じて対応が異なります。当面の痛みに対しては鎮痛剤、鎮痙剤を使用します。通常結石の大きさが7〜8mm径以内のものであれば自然排石が期待できるので、水分を十分にとり排石促進剤の内服を行い経過を観察します。結石が10mm以上と大きくて自然排石が期待できない場合や、すでに中等度以上の水腎症を合併し腎機能へ影響している場合などは手術を考慮します。現在は体外衝撃波砕石装置(ESWL)や内視鏡を用いた砕石が主流となっていますが、開腹手術が必要となることもあります。また尿路感染の合併に対しては抗生物質の内服や点滴での治療が加えられます。
結石の再発予防
腎結石・尿管結石は再発を繰り返すことが少なくはありません。日常生活のなかで次の点に注意することで再発の可能性を少なからず軽減させます。
一般的な注意事項
水分摂取を多めにし、尿量を増やすことが必要です。成人の一日尿量は約1500mlですが、水分摂取を多めにし、一日2000〜2500mlに増やすようにします。特に夏期は汗をかくことにより尿が濃縮して結石を形成しやすくなりますので、食事の時、水やお茶を1〜2杯ずつでも多めに飲むように心掛けることが大切です。
特別な注意事項
もし結石が排泄しその成分が判明した場合、その成分によっては多量に食べない方が良いものがあります。
・ シュウ酸塩結石:ホウレン草、トマト、セロリ、コーヒー、ココア、牛乳、海藻類
・ リン酸塩、炭酸塩結石:牛乳、海藻類、豆類
・ 尿酸塩結石:肉、イカ、エビ、カニ、ビール
なお、これらは食べすぎがいけないだけで「食べてはいけません」といっているわけではありません。過度にならない量であれば必要な栄養素として摂取してかまいません。
また尿のPH(酸性・アルカリ性)の調整も重要です。どちらに傾きすぎてもいけません。リン酸塩結石、炭酸塩結石なら酸性食品を多めに、尿酸塩結石やシスチン結石ではアルカリ食品を多めにとることを心掛けます。