(財) 日本医療機能評価機構認定
ささだより 「ささだより」 2007年 1月号目次
●新年のご挨拶
●各科担当専任医師 Part 1
●各科担当専任医師 Part 2
●看護部・事務部・医療技術部・地域医療部
●公開健康講座より
2007年 1月  第72号
発行所
      
特別医療法人社団時正会
   佐々総合病院
東京都西東京市田無町4−24−15
   発行責任者  佐 々 英 逹
 TEL:042-461-1535
 

 11/15 公開健康講座より  
 
メタボリックシンドロームの話
  

        

今回の講師
副院長・内科医  山田 教史


 メタボリックシンドロームとは

 直訳すると「メタボリック」は「代謝の」、「シンドローム」は「症候群」となります。代謝とは『摂取した栄養をどのように使うか』ということです。
 
 1.体を造る
 2.すぐに使う
  ・活動する(肉体 頭脳)
  ・基礎代謝(基礎代謝とは、何も活動しなくても生命を維持するために使われるエネルギーのことをいいます。その大部分   は筋肉で使われます)
 3.貯めこむ(皮下脂肪、内臓脂肪として)

 メタボリックシンドロームは栄養摂取過剰で内臓脂肪が増え、それに血圧・血糖・コレステロール・中性脂肪などの軽い異常を伴った状態をいいます。これまでよく使われている『生活習慣病』よりも軽いものまで含まれ、しかも数字によってはっきり定義されています。
 1.ウエスト径
   男性≧85cm 女性≧90cm
 2.血圧
   収縮期≧130 かつ/または
   収縮期≧85
 3.空腹時血糖≧110
 4.中性脂肪≧150 かつ/または
   HDL(善玉)コレステロール<40

 1.があって、かつ2.3.4.のうち2つがあると、メタボリックシンドロームと診断されます。


 肥満について

 一口に肥満といっても、脂肪のつく場所によって二つのタイプに分けられます。脂肪が皮膚のすぐ下に蓄積するのが「皮下脂肪型肥満」で、主に下半身に脂肪がついているため「洋梨型肥満」ともいわれ、女性に多く見られます。一方、脂肪が内臓を中心に蓄積するのが「内臓脂肪型肥満」で、腹部がぼってりとして「りんご型肥満」ともいわれます。後で述べるように、内蔵脂肪蓄積の方が健康にとっては有害で、メタボリックシンドロームでウエスト径を重視しているのはそのためです。内臓脂肪のつき具合は腹部のCTスキャンを撮ってみればよくわかります。
 また、「内臓脂肪」は「皮下脂肪」よりもつきやすく、とりやすいという特徴があります。「皮下脂肪」が定期預金、「内臓脂肪」が普通預金のようなものです。


 メタボリックシンドロームになると
 
 日本人の死亡原因は1位:癌 2位:心臓病 3位:脳血管障害(脳卒中)です。心臓病、脳血管障害の原因は動脈硬化です。動脈硬化の『危険因子』として、高血圧・血糖・高脂血症・肥満・喫煙・ストレスなどがあります。肥満はこれまで、高血圧・糖尿病・高脂血症を悪化させることによって動脈硬化を進展させることがわかっていましたが、最近の研究で肥満そのものが、直接動脈硬化を悪化させるメカニズムが解明されています。脂肪を蓄える脂肪細胞は、一方でいくつかのホルモン様物質を分泌しています。その代表的なものがアディポネクチンというもので、血管壁に付着した有害物質を除去したり、血管壁の傷を修復したりして、動脈硬化を防ぎます。内臓に脂肪がたまり、「内臓脂肪型肥満」になるとこのアディポネクチンの分泌が低下して、動脈硬化が進むというのです。 

 北海道・壮瞥町で行なわれた疫学調査によると、40歳以上の男性の26.4%、女性の8.8%がメタボリックシンドロームと診断され、メタボリックシンドロームがあるグループでは、ないグループと比べて、心臓病・脳卒中の発生の危険率が約1.8倍という結果がでました。日本人全体でも同じような傾向だと推定されます。
 

 メタボリックシンドロームの管理

 最大の問題点は肥満なので、治療は内臓脂肪を減らすための生活習慣の改善が基本となります。摂取カロリーを減らし、
消費カロリーを増やすために、以下のようなことを心がけましょう。

・毎日体重やウエスト径を測る。
  毎日測り、記録をつけることで、日々の生活習慣の改善を意識するようになる。

・3食規則正しく、バランスのよい食事を、腹八分で
  まとめ食い、就寝前の食事は、内臓脂肪を増やす。高カロリーの脂肪、糖分を減らす。蛋白質は減らさない。根菜類、
  海草を多く摂取する(満腹感が得られ、脂肪の吸収を抑制する)。

・日常生活の中に積極的に運動を取り入れる
  なるべく階段を使う、通勤路で歩く距離を多くするなど内臓脂肪は運動により比較的簡単に落とせる
  運動により筋肉量が増す。

 筋肉量が増すと基礎代謝が増します。基礎代謝が増すということは、何もしなくても消費されるエネルギーが増す訳ですから、当然内臓脂肪がつきにくくなります。この筋肉を作る原料として蛋白質が重要です。 


 まとめ

 健康で長生きするためには、動脈硬化を防ぐことが一番肝心です。それには内臓脂肪に貯め込まないことです。幸い内臓脂肪は一旦ついても比較的容易にとれます。生活習慣に気を配って長寿を楽しみましょう。 





 次回公開健康講座について

 次回は1月18日午後3時から「腹痛について」のお話をいたします。どなたでもご参加できますのでお気軽にお越しください。
詳しくは院内のポスターまたは理事長室までお問い合わせください。

 




開催月 テーマ 講師
1月18日(木)
 午後3時から4時まで
腹痛について 外科医・副院長
 竹内 俊二
3月
 (日時 未定)
骨粗しょう症 整形外科医
 稲畠 勇仁
5月
 (日時 未定)
更年期 産婦人科医
 未定
7月 
 (日時 未定)
前立腺肥大 泌尿器科医 
 未定

       入場 無料

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