(財) 日本医療機能評価機構認定

ささだより

「ささだより」 2007年3月号目次
 ●携帯電話使用可能区域ができました
 ●くすりの話
 ●高齢者の摂食・嚥下障害
 ●公開健康講座より
 ●お知らせ 

2007年3月  第73号
発行所
      
特別医療法人社団時正会
   佐々総合病院
東京都西東京市田無町4−24−15
   発行責任者  佐 々 英 逹
 TEL:042−461-1535

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1/18 公開健康講座より

腹痛の話

今回の講師

副院長・外科医  竹内 俊二





  

        .       .

今回のテーマは腹痛です。人が腹痛を感じるのは、どういう仕組みなのか、
痛みの場所、種類、性質で病気がわかるのか、どんな痛みに注意が必要なの
かというような点についてお話してみようと思います。


痛みの種類と特徴

痛みは、体に有害なことが起こっていることを知らせる大切な刺激です。
痛みを感じることで人はより大きな傷害から逃れることができます。痛みに
はどんな種類と特徴があるのでしょうか。痛みは表在痛深部痛にわけられ
ます。表在痛は皮膚の痛みで、針を刺すときなどチクンと痛みますが長くは
続きません。深部痛は筋肉や骨膜の痛みの体性痛内臓痛にわけられます。
疼く様な鈍痛です。
 痛みは、その原因となる刺激が神経により脳に伝えられて感じるわけです
が、表在痛体性痛は触覚や温冷覚と同じ脊髄神経により伝えられます。他
方、内臓痛は自律神経によって伝えられます。そのため両者の性質は大いに
異なっています。自律神経には交感神経と副交感神経という2種類の系統が
あります。内臓に対して互いに反対の働きをし、両者がバランスをとって内
臓機能を調整しています。


内臓の痛みの感じ方

 それでは内臓のどこで痛み刺激を感じるのでしょうか。じつは胃腸の粘膜
は痛みに鈍感です。病気が粘膜を超えて腸間膜などに達すると痛みを感じま
す。内臓に生じた有害刺激はまず自律神経によって伝えられます。はじめ副
交感神経が刺激されて吐き気や嘔吐で発症することが多く、その後交感神経
も刺激されて内蔵痛が生じます。刺激が大きいとそばを走っている脊髄神経
を刺激して体性痛が生じてきます。病気が進行すると、内臓を覆っている腹
膜(臓側腹膜)や腹筋の奥にあって内臓全体を覆っている腹膜(壁側腹膜)
が刺激されてきます。腹膜への刺激は脊髄神経によって伝えられるため、は
っきりした強い痛みとなります。このとき、同じ脊髄神経で支配されている
腹筋は反射性に強い緊張を示してきます。


痛みの原因と痛み方

 それでは、有害刺激はどんなときに発生するのでしょうか。胃腸の強い
収縮による痙攣、伸展、大量の内容物による拡張、腹膜や腸間膜の炎症、腹
腔内への出血、腹膜への腸内容の刺激や化学的刺激、肝臓などの臓器の皮膜
の伸展、内臓の血行障害があります。
 腹痛はまた2種類にわけられます。疝痛つまり周期的に波を伴って起こる
痛みと持続痛です。疝痛は胃腸の閉塞や腸内の有害物質の刺激で胃腸が周期
的に強い収縮を起こして生じます。持続痛は虫垂炎などで腸間膜や腹膜が刺
激されて生じる痛みです。とくに、胃や腸に穴が開いて腸液などがこぼれる
と非常に強い刺激となり激痛が生じます。
 痛みの位置でどの臓器が悪いのかは正確には決められません。それは、内
臓を支配する自律神経の分布が臓器ごとにひとつに決まっていないからです。
胃潰瘍も虫垂炎もみぞおちが痛くてよいのです。さらにいうと肺や心臓の痛
みを上腹部の痛みとして感じることもあります。また、下腹部の痛みは下部
大腸や婦人科領域、膀胱などで共通です。しかし、腹膜に刺激が及ぶと刺激
が脊髄神経によって伝えられますからその付近の病気であるとわかります。
 このようなわけで、正確な診断のために必要な情報として、いつ頃から、
どのあたりが、始めはどんな具合で今はどんな具合か、波はあるのかないの
かなどが必要です。


緊急手術が必要な痛み

 強い痛みをともない、緊急手術が必要となる可能性のある病気を急性腹症
と呼びます。この中には尿管結石など手術の対象とならない病気も含まれま
すが、すぐに手術すべき病気の場合、時間がたつほど生命の危険が迫ります
ので、迅速かつ正確な診断が必要となります。急な腹痛を伴う疾患のなかで、
絶対に手術してはいけない病気としては肺炎や狭心症などがあります。一方、
大腸の穿孔による腹膜炎の場合はできるだけ早急に手術しなくてはなりませ
ん。場合によっては人工呼吸や強心昇圧剤を投与しながら手術室に運ぶよう
なこともあるのです。ところが、実際はその中間が多いので判断が難しく、
われわれ外科医を悩ませます。虫垂炎や胆嚢炎など軽症では抗生剤の治療で
おさまる場合のあることがわかっているとき、患者さんも医師手術せずに治
ってほしいと思います。しかし、手術せずに1日置いた事で病状が急速に悪
化してしまう危険もあるわけです。その判断が正しいのかどうか、実は明日
にならないとわからないわけです。また、こんな場合もあります。本当は手
術しないといけない病気なのに、違う病気と考えて手術しなかったという場
合です。このようなとき、診断が正しいのかどうか、不安な一晩を過ごすこ
とになります。


急性虫垂炎について

 次に急性腹症のなかでも最も数の多い急性虫垂炎について、いくつかの大
事な点を述べてみましょう。
 虫垂は大腸の始まりの部分、盲腸という部位にぶら下がっている芋虫のよ
うな部分です。この内容がうっ滞して細菌性の炎症を起こすのが急性虫垂炎
です。発病当初、炎症による刺激は自律神経、とくに副交感神経によって伝
えられるため、お臍やみぞおちあたりの不快、吐き気、嘔吐が出現します。
病状が進行すると腸間膜や腹膜に炎症が及ぶため、脊髄神経が刺激されて虫
垂の位置、つまり右下腹部に痛みが移ってきます。このとき、同じ脊髄神経
の刺激により腹筋が固く緊張します。患者さんははじめ胃がおかしい、おな
かがはる、食べ物にあたったのかなと思います。友達や親類に相談して下剤
をのんだり浣腸をしたら悪くなったということもあるようです。ちなみに
「親切な」お知り合いが教えてくれる治療法や診断については正しくないこ
とが多いのでご注意ください。さて、病院にこられると、経過をお聞きして、
診察、検査と進みます。検査や超音波検査で腫れた虫垂がみつかると診断は
ほぼ確実です。問題は薬で「散らせる」か否かです。これは大丈夫と思われ
るときと、これは手術というときは判断に迷わないのですが、その中間が難
しくなります。どちらかというと手術だろうと思ったときに、患者さんから
薬で散らせないかと言われたときが問題です。その通りにしてひどくなった
らとか、手術してみたら案外軽かったら申し訳ないしと頭を悩ませることに
なります。この不確実性が医療の特徴ともいえるのですが。
 今回の話が腹痛が起こったときの参考になれば幸いです。




<次回公開健康講座について>

・日時: 平成19年3月14日(水) 午後3時から4時まで
・場所: 3号館4階 ホール

・テーマ: あなたの骨は大丈夫!?
      〜今からはじめる骨粗しょう症の予防法 〜
・講師: 整形外科医  稲畠 勇仁
・内容:
     超高齢化社会の現在、寝たきりの原因の一つは骨粗しょう症に
    よる骨折です。実際に高齢者の骨折も急激に増加しています。
     現在の骨粗しょう症の治療目標は骨折予防にあります。骨粗し
    ょう症に対する理解を深め、若いうちから予防しておくことが大
    切です。
     今回は、骨粗しょう症の最新の診断および治療法とともに、各

    年代における予防法についてもお話しいたします。

  
どなたでも予約なしにご参加できますので、お気軽にお越しください。
 また、質疑応答の時間も設けておりますので、日頃疑問に思われている
 ようなことも良い機会ですのでどんどんご質問ください。





お知らせ


“ 佐々総合病院看護部のホームページをご存知ですか? ”

  昨年9月26日に看護部のホームページを立ち上げました。
ここでは看護師の様子や病棟の特徴、他の職種と協力して行なう
委員会の活動から患者様のはてな?に答えたコーナーや田無駅周辺
を紹介したギャラリー、当院アイドルマリーのカレンダーや画像な
どがあります。
  様々なメニューのホームページから看護師たちのがんばり度、
気あいあいの雰囲気が伝わればと思います。


ホームページアドレスはこちら

http://www.sassakango.com/


 


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