(財) 日本医療機能評価機構認定
ささだより
「ささだより」 2007年7月号目次
 ●亜急性期病床とリハビリ機能強化について
 ●くすりの話
 ●お知らせ(市の無料検診)
 ●公開健康講座より

 ●スタッフプロフィール
  2007年7月  第75号
 発行 特別医療法人社団時正会
       佐々総合病院
東京都西東京市田無町4−24−15
   発行責任者  佐 々 英 逹
     TEL:042−461-1535

佐々総合病院ホームページヘ戻る
佐々総合病院広報誌のページへ戻る
5/17 公開健康講座より

意外に多いおしっこの悩み
  〜過活動膀胱と前立腺肥大症〜

今回の講師
泌尿器科部長  鷲塚 誠




T.こんなおしっこのトラブルはありませんか?
・突然、我慢できないような尿意をもよおすことがある
・急におしっこがしたくなりトイレまで我慢できずにもれてしまうことがある
・トイレに行く回数が多い
・夜中に何度もトイレに起きる
これらは「過活動膀胱」かも知れません。
 さらに男性では、
・おしっこに勢いがない
・トイレに行ってもまだおしっこが残っている感じでスッキリしない
・おしっこが途中で途切れる
・お腹に力を入れないとおしっこが出せない
 「前立腺肥大症」になるとこんな症状がみられます。

U.過活動膀胱の症状や診断は?
 過活動膀胱(overactive bladder:OAB)とは「尿意切迫感を有し、通常は頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態」とされています。
 代表的な症例として以下の3つの症状があります。

1.尿意切迫感(必須症状です)
 
突然トイレに行きたくなり、我慢か困難である。
2.頻尿
 トイレに行く回数が多い。夜、トイレに起きる。
3.切迫性尿失禁
 急にトイレに行きたくなり、間に合わずもれてしまう。

 過活動膀胱の原因は以下のとおりで
原因のよくわからない場合も多いです。

1.神経系に障害があるとき
 脳卒中や脊髄損傷の後遺症など
2.女性では骨盤底筋の弱体化
 
出産や加齢で骨盤底筋という筋肉が弱くなった場合
3.男性では前立腺の肥大など
4.その他の原因の場合


V.過活動膀胱の治療法
 お薬で症状を軽くします。
抗コリン薬で治療
過活動膀胱の治療には主に抗コリン薬というお薬が使われます。膀胱を収縮させる信号は、神経の末端からアセチルコリンという物質がでて、膀胱に伝えられます。抗コリン薬は、アセチルコリンが働きにくくなるようにして、膀胱の異常な働きを抑えます。


高齢男性では注意が必要
 前立腺肥大症のある方は、まずα1遮断薬(α1ブロッカー)で治療します。過活動膀胱に対しては抗コリン薬、前立腺肥大症に対してはα1遮断薬が第一選択となっています。

膀胱訓練や骨盤底筋体操も効果あり
1.膀胱訓練
 膀胱に尿をためる訓練をして、膀胱の能力を元に戻す訓練が効果的です。トイレに行くのを少しだけ我慢してみることを続けてみましょう。
2.骨盤底筋体操
 肛門や膣を締める訓練をすることで骨盤底筋が鍛えられ、尿道を締めることができるようになります。筋力が安定することで、過活動膀胱の症状の改善にも有効です。

日常生活ではこんなことに注意しましょう
・身体(特に下半身)を冷やさないようにしましょう。
・便秘に気をつけ、肥満があれば改善しましょう。
・ビールなどのアルコール類、お茶・コーヒーなどのカフェイン類、刺激の強い食べものを控えましょう。
・適度な運動をしましょう。
・外出時などは、早めにトイレに行くようにしましょう。


W.前立腺肥大症によるおしっこのトラブルとは? 男性ではこれが重要!
前立腺肥大症とは?
 前立腺は膀胱の出口にあり、尿道の周りを取り囲んでいます。前立腺は多くの人で年齢とともに肥大する(大きくなる)ことがわかっています。前立腺が異常に大きくなると、膀胱や尿道が圧迫されて、おしっこの出が悪くなったり、おしっこが近くなるなどさまざまなトラブルを起こします。
前立腺肥大症ではこんな症状が現れます。
・おしっこに勢いがない、おしっこが途切れる
・おしっこの切れが悪い
・おしっこをしてもおしっこが残っているような感じがする(残尿感)
・おしっこをした後すぐにまた行きたくなる(頻尿)
・夜中に何度もトイレに行きたくなる(夜間頻尿)
・膀胱におしっこがたまっているのにまったくおしっこが出せない(尿閉)


X.前立腺肥大症の治療法
1.薬物療法
@α1遮断薬(α1ブロッカー)
 前立腺や尿道の筋肉の緊張をゆるめておしっこを出しやすくするお薬です。
A抗男性ホルモン剤
 前立腺を小さくしておしっこを出やすくするお薬です。
B植物製剤(生薬・漢方薬)

2.手術療法、レーザー療法など
 尿道から内視鏡を入れて電気メスで肥大した前立腺を削り取る手術やレーザー光線を照射して前立腺組織を焼いて除去する方法などがあります。

前立腺肥大症の日常生活の注意
・便秘にならないようにしましょう。
・散歩など適度な運動をしましょう
・アルコールルはほどほどにしましょう
・長時間座ったままの姿勢はやめましょう
・刺激の強い食品は避けましょう
・市販の風邪薬や胃薬を飲むときは注意しましょう。


Y.まとめ
 過活動膀胱も前立腺肥大症も完全に予防することはできません。しかし、早期に治療すれば重症になりません。ふだんから自分の排尿状態を観察して、快適な老後を迎えましょう。


  

ページのトップへ戻る▲