令和6年度 佐々総合 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 46 88 150 265 322 501 562 885 1152 556
入院患者さんの総数は、コロナ禍以降増加しましたが、2024年度は若干減少しました。
年代別では特に10歳代・50~60歳代・90歳代以上で増加傾向です。
当院は整形外科・産婦人科などの入院患者さんも多いため、他の急性期病院と比べて、
高齢の方だけでなく比較的若い方の入院も多いことが特徴です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 68 20.01日 20.78日 17.65% 87.59歳
0400802499x0xx 肺炎(市中肺炎かつ75歳以上) 48 13.60日 16.40日 12.50% 85.96歳
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 40 13.00日 13.66日 5.00% 80.60歳
0400800x99x0xx 肺炎(市中肺炎以外) 37 15.62日 18.16日 8.11% 89.57歳
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 15 16.07日 20.06日 6.67% 79.33歳
第1位は、「誤嚥性肺炎」で、食べ物や唾液・痰などが気管に入ってしまうことが原因で起こる疾患です。
近隣介護施設等からの入院も多く、重症化した高齢の方が多いです。
第2位・第4位は、「肺炎」で、高齢の方が多いですが、平均在院日数は全国平均より短縮しております。
第3位は「尿路感染症」で、症状に合わせて、泌尿器科専門医が併診致します。
その他、診断がついていない不明熱や救急外来からの緊急入院なども多く、救急科医師や他職種のスタッフが協同して治療を行います。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査 60 2.97日 3.07日 0% 71.80歳
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 終夜睡眠ポリグラフィー 53 2.00日 2.02日 0% 57.51歳
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 48 4.10日 4.18日 0% 73.54歳
050130xx9900x0 心不全 25 18.40日 17.33日 0% 83.96歳
050210xx97000x 徐脈性不整脈 19 8.37日 9.59日 5.26% 79.21歳
厚生労働省の死因別死亡者数のデータによれば、日本人の死因の第2位は心疾患(高血圧症を除く)です。
中でも狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、生活習慣病から進展することが多く、当科では冠動脈CTや
心臓超音波検査等を行ない早期診断を行っております。
心臓の周りの血管が狭くなる冠動脈疾患に対しては、複雑な病変でなければカテーテルによる冠動脈治療を行います。
第1位は睡眠時無呼吸の睡眠ポリグラフィー検査で、1泊2日の検査入院です。第2位、第3位は狭心症で、
冠動脈インターベンション(PCI)は約3~4日の入院、冠動脈造影(心臓カテーテル検査)は約2~3日の入院期間です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮に関連する障害 (出生時体重2500g以上) 26 5.12日 6.11日 3.85% 0歳
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 (出生時体重1500g以上2500g未満) 11 6.91日 11.83日 0% 0歳
140010x197x0xx 妊娠期間短縮に関連する障害 (出生時体重2500g以上)新生児仮死蘇生術等 7.97日
140010x197x1xx 妊娠期間短縮に関連する障害 (出生時体重2500g以上)新生児仮死蘇生術・人工呼吸あり 12.22日
当院の産婦人科での出産後の新生児の入院がほとんどで、黄疸・低体重・一過性多呼吸などの症例が多いです。
産婦人科医と協力して新生児の診療を行なっており、必要に応じて近隣のNICUを持つ高度医療機関と連携して
新生児の搬送を行う場合もあります。
小児科では平日準夜間帯の診療も行なっており、月・水・木・金の準夜間帯に
北多摩北部小児医療事業の小児科時間外診療を行なっております。
※患者数10未満は、-(ハイフン)で表示しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 111 4.28日 4.54日 0.00% 69.05歳
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 経皮的胆管ドレナージ術等 70 6.99日 8.88日 1.43% 74.80歳
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 66 7.45日 7.60日 1.52% 64.26歳
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 47 8.00日 8.51日 0.00% 73.23歳
060210xx99000x 腸閉塞 44 8.34日 9.08日 2.27% 78.02歳
第1位は鼠径ヘルニア手術の症例で、平均的な入院期間は約4日です。
第5位の腸閉塞は、腹痛・嘔吐等の消化器症状を呈し、輸液等の保存的療法を行いますが、改善されない場合には
手術を行うこともあります。当院は救急告示医療機関であり休日夜間を問わず救急の腹部疾患が多く、
外科では患者さんへの負担が少ない内視鏡治療から腹腔鏡手術まで、緊急時でも対応できる体制を整えております。
また多くの疾患に対してクリニカルパス(入院治療をまとめた予定表)を導入しており、診療ガイドラインに沿った
安全なチーム医療を提供し、早期退院できるよう努めております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術等 113 29.12日 25.29日 55.75% 83.09歳
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 70 19.77日 18.76日 0.00% 61.17歳
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術等 53 3.83日 5.95日 3.77% 64.40歳
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 34 3.06日 3.94日 0.00% 47.09歳
070370xx01xxxx 脊椎骨粗鬆症 23 22.48日 19.51日 26.09% 86.83歳
現在常勤医5名体制で、脊椎疾患・股関節疾患・上下肢の外傷などの幅広い疾患を受け入れております。
第1位は、大腿骨近位部骨折です。高齢者の転倒などでおこりやすい症例で、術後の経過により更に専門的なリハビリが必要な場合は、
同グループのリハビリテーション病院へ転院することも多いため、転院率が高くなっております。
第2位は、股関節骨頭壊死・変形性股関節症で、当院には昭和大学と連携している股関節センターが設置されており、
全国各地から多数のご紹介をいただいております。
また整形外科外来では、股関節外来・肩関節外来・脊椎外来・スポーツ外来・手の外科外来などの専門外来も予約制で行なっております。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx02000x 顔面損傷 眼窩骨折観血的整復術 12 5.58日 5.98日 0% 45.50歳
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 11 3.82日 4.65日 0% 48.73歳
160200xx030xxx 顔面損傷 鼻骨骨折整復固定術等 3.31日
080010xxxx0xxx 膿皮症 12.98日
180060xx97xxxx その他の新生物 皮膚・皮下腫瘍摘出術 5.63日
第1位は、交通事故や転倒などの外傷による眼窩骨折の手術で、短期間で退院できる手術です。
第2位は、さまざまな部位にできる皮膚・皮下腫瘍摘出術等の入院です。
形成外科では、外来手術も数多く行なっており、皮膚の「できもの」の手術や瘢痕、顔の外傷や熱傷、陥入爪の手術も行います。
また他科の入院患者さんの褥瘡(床ずれ)や糖尿病・動脈硬化などに合併する難治性潰瘍を併診することも多くあり、
院内で褥瘡チームを組織し入院患者さんの褥瘡ラウンドも行なっております。
※10症例未満は、ー(ハイフン)で表示しております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞 エダラボン使用 232 15.18日 16.89日 26.29% 76.41歳
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(JCS10未満) 85 18.85日 18.68日 49.41% 70.18歳
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 74 8.03日 9.83日 9.46% 78.68歳
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 55 6.47日 7.99日 7.27% 70.89歳
160100xx99x01x 頭蓋・頭蓋内損傷 副傷病名あり 47 13.94日 19.12日 36.17% 76.60歳
脳梗塞の入院が最も多く、特に夜間・早朝に救急車で搬送される方も多い疾患です。
当院は日本脳卒中学会「一次脳卒中センターコア施設」として、24時間365日体制で緊急手術、緊急血管内手術、
rt-PAによる血栓溶解療法を数多く施行しております。
また在宅復帰に向けて専門的なリハビリが必要な場合も多いため、転院率が高い疾患もあります。
第3位~第5位は頭部外傷です。当院は救急指定病院であり、外傷性くも膜下出血などの救急搬送も多く受け入れております。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術 腹腔鏡によるもの等 39 5.85日 5.97日 0.00% 36.97歳
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 38 3.00日 2.72日 0.00% 45.03歳
120140xxxxxxxx 流産 37 1.97日 2.44日 0.00% 33.49歳
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 帝王切開術等 33 9.45日 9.40日 0.00% 34.82歳
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下膣式子宮全摘出術等 28 3.54日 5.88日 0.00% 45.68歳
第1位は、卵巣腫瘍の手術症例で、無症状であることが多く人間ドックや婦人科健診などで指摘されることがありますが、
捻じれたり(捻転)内容液がおなかの中に漏れたりする(破裂)と急激な下腹痛や吐き気などが起こり、緊急手術が必要となることもあります。
第4位は、既往帝切後妊娠や骨盤位妊娠などで帝王切開術を行う症例です。当院は24時間分娩に対応しており、
夜間休日の緊急帝王切開にも対応しております。必要に応じて近隣の高度医療機関と連携して母体搬送を行う場合もあります。
第5位は、子宮筋腫の手術症例で、30代から増加する良性の腫瘍です。
2025年9月より産婦人科常勤医が新たに入職し、今後婦人科腹腔鏡手術も積極的に行う予定です。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 40 3.10日 2.45日 0.00% 72.23歳
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 37 9.51日 13.66日 5.41% 65.59歳
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 20.06日
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 6.81日
11022xxx99xxxx 男性生殖器疾患 9.45日
第1位は前立腺癌に対する前立腺生検で、当院では2泊3日で行ないます。前立腺癌は50代から増加しますが、
初期は症状がない場合が多く、腫瘍マーカーPSAが高値の方に前立腺生検をお勧めしております。
第2位は、尿路感染症です。平均年齢は比較的若く、入院期間は平均9.5日程度となっており、全国平均より早期に退院しています。
※10症例未満は、ー(ハイフン)で表示しております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 13 1 8版
大腸癌 16 24 18 13 2
乳癌 20 11 1 8版
肺癌 1
肝癌 2
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、主に外科で消化器の癌を取り扱っており、特に大腸癌を多く診療しております。
結腸悪性腫瘍手術や直腸切除術などの手術だけでなく、
化学療法目的で計画的に入退院を繰り返している方も多く、「再発」の症例数に含まれております。
また10症例未満のため表示されておりませんが、肝癌の診療も行っております。乳腺外科では、乳癌の手術や化学療法も行っております。
※10症例未満は、ー(ハイフン)で表示しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 8.14日 54.50歳
中等症 47 10.09日 77.89歳
重症 22 15.45日 84.59歳
超重症
不明
傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎の患者さんが対象です。呼吸器内科の常勤医が診療し、前年より増加傾向です。
上記は市中肺炎の患者数ですが、当院では介護施設等から入院される方も多く、医療介護関連肺炎が増えております。
早期の離床を目指したリハビリや栄養管理、抗菌薬使用状況の管理など、多職種のチーム医療で早期退院を目指しております。
また医療ソーシャルワーカー(MSW)の増員や専従の退院支援看護師も配置しており、
自宅や施設・転院等の退院支援を積極的に行っております。
※10症例未満は、-(ハイフン)で表示しております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 409 18.37日 77.17歳 29.36%
その他 27 20.52日 76.33歳 2.29%
脳梗塞では多くの患者さんが発症から3日以内に治療を開始しております。また当院では緊急でrt-PA療法による血栓溶解療法を
行える体制を整えております。合併症・後遺症を防ぐためにはリハビリテーションが重要であり、専門職である理学療法士・作業療法士・
言語聴覚士がリハビリテーションの早期介入を行なっています。
より専門的なリハビリが必要な場合も多いため、同グループのリハビリテーション病院への転院率も高くなっております。
現在脳神経外科は常勤医5名体制で、北多摩北部医療圏の脳卒中センターとして、24時間体制で急性期脳卒中治療を行っております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 47 2.66日 2.30日 0.00% 74.11歳
K5972 ペースメーカー移植術 11 1.82日 8.45日 9.09% 79.73歳
K597-2 ペースメーカー交換術
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他)
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症)
最も多い手術は経皮的冠動脈ステント留置術です。カテーテルという細長い管を太ももの付け根、手首あるいは肘の動脈から
冠動脈まで挿入し、このカテーテルを通じて冠動脈の狭窄や閉塞に対して、ステント(金属製の網目状のパイプ)を挿入し
血管を拡張する治療です。主に狭心症の患者さんに行なわれており、予定入院であれば3~4日の入院期間ですが、
緊急で行われる場合もあります。その他、ペースメーカーの移植や交換等も行っております。
※10症例未満は、ー(ハイフン)で表示しております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 80 1.08日 2.14日 0.00% 66.86歳
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 54 0.83日 4.94日 0.00% 66.89歳
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 45 0.91日 3.00日 0.00% 70.91歳
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 37 0.46日 3.43日 0.00% 45.43歳
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 37 0.27日 7.08日 0.00% 48.00歳
第1・2・4・5位は腹腔鏡による手術です。大腸癌などの待機的手術以外に、腹部救急疾患に対する治療にも
積極的に腹腔鏡下手術を導入し、術後の痛みの軽減や入院日数の短縮を目指しています。
第1位の、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は、入院期間は約4日間と比較的短期間で退院となります。
上記の手術以外にも、胃や直腸、肝臓、胆嚢、膵臓等、幅広い消化器疾患の手術を行っております。
また多くの手術についてクリニカルパス(入院治療をまとめた予定表)を導入しており、治療の過程を明確にすることで
診療ガイドラインに沿った安全なチーム医療を提供し、早期退院できるようできるよう努めております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股・膝) 97 1.59日 19.44日 6.19% 64.77歳
K0462 骨折観血的手術(前腕) 87 1.95日 5.14日 4.60% 62.21歳
K0461 骨折観血的手術(大腿) 74 3.82日 19.09日 45.95% 77.09歳
K0811 人工骨頭挿入術(股) 50 3.94日 23.08日 52.00% 87.28歳
K0463 骨折観血的手術(その他) 38 1.47日 5.18日 2.63% 53.34歳
第1位は、人工関節置換術(股・膝)で、加齢に伴って起こる変形性股関節症に対して多く行われます。当院では数多くの
股関節疾患の治療にあたってきた専門医を中心とした股関節センターが設置され、手術を行っております。
大腿骨頭壊死症や大腿すべり症、ペルテス病などのお子さんに対して「骨切り術」の手術も多く行っております。
第3位・第4位は、高齢の方の転倒等による大腿骨頚部骨折に対して多く行なわれます。術後2~3週間での退院を目指しておりますが、
手術後の継続としてグループのリハビリテーション病院へ転院するケースも多いため、転院率が高くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 101 0.68日 7.71日 13.86% 79.65歳
K178-4 経皮的脳血栓回収術 62 0.06日 22.60日 46.77% 80.61歳
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 34 0.82日 26.62日 79.41% 68.18歳
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 25 1.76日 21.12日 28.00% 65.36歳
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 22 6.86日 16.68日 31.82% 63.00歳
第1位は、慢性硬膜下血腫に対して頭蓋から血腫を洗浄除去する手術です。
当院は、「一次脳卒中センターコア施設」として、脳卒中の外科的治療がいつでも行える体制を整えております。
また、脳神経血管内治療専門医が常勤医としており、血栓回収術などの脳神経血管内治療を多数行なっております。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K872-33 子宮内膜ポリープ切除術(その他) 52 1.00日 1.00日 0.00% 46.00歳
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 44 0.95日 4.00日 0.00% 38.45歳
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 33 0.85日 0.12日 0.00% 33.42歳
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 28 1.36日 7.25日 0.00% 31.79歳
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 28 4.07日 7.11日 0.00% 35.18歳
当院の通常の帝王切開術の入院期間は、術前1日、術後7日で退院となります。
妊婦さんの中には、切迫早産等で長期間入院したのちに帝王切開術となるケースもあります。
帝王切開術には、逆子などの予定手術と胎児機能不全などの緊急手術があります。
当院では休日夜間も産婦人科当直医師が常駐しており、分娩や緊急帝王切開、緊急を要する婦人科手術にも24時間体制で対応しております。
また2025年9月より産婦人科常勤医が新たに入職し、今後婦人科腹腔鏡手術も積極的に行う予定です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 10 0.22%
180010 敗血症 同一 30 0.66%
異なる 13 0.29%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 29 0.64%
異なる
入院契機の病名と「同一」とは、入院時にすでに重症化した状態で受け入れた患者さんで、
入院契機の病名と「異なる」とは、入院中に主たる病名が重症化して、播種性血管内凝固症候群(DIC)や
敗血症を発症したと考えられます。
また手術や処置の際に起こりうる合併症について、当院では事前に十分に説明を行なったうえで、発症が最小限になるよう努めております。
※10症例未満は、ー(ハイフン)で表示しております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
772 711 92.10%
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者数のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された
患者数の割合を示しています。
周術期の肺血栓塞栓症の予防として、弾性ストッキングの使用や抗凝固薬剤を投与することで、発生率を下げることにつながります。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
882 515 58.39%
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは望ましいとされてます。また、血液培養は1セットのみの場合の
偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。
2024年7月から10月にかけて、全国的な血液培養ボトルの供給減少のため、当院でも血液培養ボトルの使用制限が行われたため、
指標に大きな影響が出ています。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
254 214 84.25%
近年、抗菌薬耐性菌が出現し難治症例が増加していることが問題となっており、各医療機関においては抗菌薬適正使用を推進する
取組みが求められます。広域抗菌薬を使用する際は、投与開始時に細菌培養同定検査を行うことが望ましいとされています。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
60505 174 2.88‰
医療安全管理室へインシデントレポートが提出された転倒・転落発生率を示しています。
入院生活という生活環境の変化によるものや、病気そのものや手術・薬剤などの影響により、
自宅にいるとき以上に転倒・転落のリスクは高くなります。
転倒・転落を100%防止することは難しい現状ですが、医療安全管理室へ発生事例を報告・分析することで、
入院中の患者さんの影響を少なくしています。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
インシデント影響度分類レベル3b以上とは、転倒・転落により患者さんが手術・ギプス・牽引が必要な状態となった、
骨折・神経損傷・身体内部の損傷を招いたなど、重度の損傷レベルを示しています。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
※10症例未満は、ー(ハイフン)で表示しております。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
811 768 94.70%
手術中は細菌との接触リスクが高く、予防的抗菌薬投与は手術部位感染(SSI)発生予防対策として有効です。
感染により治療が長くなり、患者さんのご負担が増えないよう、感染防止対策に努める一方、不適切で無計画な抗菌薬投与は、
副作用や耐性菌の出現、医療費の増加などにつながります。
患者さんの状態の変化を踏まえながら適切な感染対策が行えるよう取り組んでいます。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
60390 169 0.28%
褥瘡とは、長期間寝ていることで同じ部位に体圧が長期間加わることにより、その部位の血行が悪くなり、皮膚・皮下組織が損傷されることです。
褥瘡発生の判断基準として、日本褥瘡学会のDESIGN-Rを用いており、d2以上とは、褥瘡の深さが真皮までの損傷を示します。
褥瘡は、痛みなどの知覚が低下した場合に発生しやすくなりますが、栄養の状態や関節の変形、運動能力の低下といった様々な要因で悪化します。
当院では、形成外科医を中心とした褥瘡対策チームが病棟ラウンドを行い、褥瘡発生防止に取り組んでいます。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
2816 2781 98.76%
入院後48時間以内に栄養管理計画書の作成や、栄養スクリーニングシート等で栄養面のリスク評価を行なった割合です。
早期に低栄養リスクを評価し、適切な介入をすることで、在院日数の短縮・予後改善につながります。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
57373 6632 11.56%
身体的拘束は、制限の程度が強く、また二次的な身体的障害が生じる可能性もあるため、代替方法が
見いだされるまでのやむを得ない処置であり、出来る限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。
当該項目は、医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難とされています。
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